一瞬の風になれ1・2・3(小説)

娘が誕生日の祝いとして、彼氏と一緒にプレゼントしてくれた。
内容も最近ドラマになったこともしらなかった。小説は、何も知らずに読むに限る。

高校1年生から3年までの陸上部での話し。走る!走る!走る!
短距離、100m、200m、400m、100m×4リレーを主人公が、確実に数値を上げ、インターハイ出場を決めるまでを追っていく。

試合は、意外に少ない。年間で、新人戦、県大会、高校総体予選、そして、記録会。
神奈川県民だから、神奈川県の地名が、当たり前のように出てくるので、読みやすいし、感情移入もしやすい。

神奈川の高校は強い。関東で上位であれば十分全国でトップクラスを狙える。しかも、神奈川県は私立、公立とも強いチームが多い。それは、神奈川県にきて、すごく感じる。

中学までサッカー命だった主人公が、あきらめて高校では陸上部に入ることを決断するところから始まる。兄貴はJリーグのサテライトに入るほどのサッカーの実力を持ち、母親もマリノスのファンで、家族ではサッカー漬けだ。

なのに、陸上部を選んだ。逃げたように見えた選択だったが、幼なじみで中学で全国レベルでの短距離走者である連の入部で、俄然、可能性が見えた。

そして、陸上部での毎日が始まる。走るごとに陸上の楽しみをひとずつ、感じながら、弱点を地道につぶしていく。天才型の連も初めて高校での戦いで、悔しさを感じながら再起をかけていく。

がつがつしてうまく走れない主人公に対して、しなやかなに綺麗な走りができる連の姿は、希望だった。そして、4人で走るリレーでの連携の難しさ、バトンの受け渡し、一回一回違う走りと結果。

でも主人公の神谷新二は、確実に短距離ランナーになっていく、最初の新人戦で100mが11秒20、最後の3年のインターハイ予選の南関東大会決勝では、10秒58とインターハイ進出を決める。

この間に、兄貴が交通事故で1年は棒に振る大怪我を負い、精神的ダメージを受け2週間部活を休んだこともあった。連の負傷、1年の負傷、部長を受けたり、教室での話はあまり無かったが、陸上部をとおして、爽快に走りきれる選手に育っていく姿が素晴らしい。

子供と思っていた主人公、周りの仲間も確実に部の一員であり、そしてなおかつそれぞれの実力を挙げて、総合的な力が部全体に響き渡っていく。気持ちよい小説だ。

高校時代、バトミントン部でいただけにスポーツ系の話は好きだ。そして、1年たつとその実力の向上に自分も驚く。作家は女性で、こういう分野に関係ない人だが、よく取材し、気持ち、走る感覚を研ぎ澄ましてよく表現している。一本調子になることも無く、すごい勢いで突っ走って読ましてくれる。

読者である自分もその会場で一緒に走っていると錯覚されてくれる。読み終えてその爽快感、さらに走っていたい気持ちにさせる素晴らしい小説だった。続きが読みたい!

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モーターサイクル・ダイアリーズ

映画から早速、本を探した。意外に文庫本で、手軽に買えた。
一番の問題は、翻訳だ。中身が素晴らしいだけに、文章が翻訳のままという感じる部分が多すぎる。たどたどしいのだ。

しかし、かなり無茶な旅行だ。ほとんど計画もなしに、お金もなくこんな旅行ができるとは、そのバイタリティーにあきれる。お金がないことをまったく気にせずに、それを楽しむかのように、いつものほらと演技で、食べ物と寝床を確保する。すごい。

映画の違いで気になったのが、ハンセン病の療養所での場面。誕生日の祝いの後に川を渡るくだりがない。しかし、一緒に旅行をしたアルベルトの日記に書かれてあるかもしれないが、この部分がない。

それとペルーの町での子供とのやりとりが、感じられない。ただ、大筋は映画と同じだった。DVDのコレクターズ版では、撮影のドキュメンタリーが収められているので、それで確認することにした。

日記では、繰り返し繰り返し、食事と寝る場所を確保するてだてが掲載されている。それに母への手紙と。こういった文献がきめ細かく残されていることに感動する。エルネストを愛し、大切にするたちが多くいたことを意味する。

日記であるにもかかわらず、丁寧な表現、くだりが数多くみられる。美しい自然、人々へのやさしさ、疑念、厳しさ、好青年エルネストが、思い感じた視点が新鮮だ。素晴らしいとしかしいいようのない経験を彼はした。

ゲバラをさらに追うことにした。今は本とDVDしかないが、追体験をしたい。まずDVDのコレクターズ版を手に入れた。(WEB上では、アマゾンなどどこも在庫はなかった)

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エラゴン(小説)

映画で気に入ったので、文庫本3冊一挙に読破。
面白い!映画は大幅に削って、単刀直入なストーリーに仕立てたが、やはり文庫3冊分は、そう簡単な、内容ではなかった。

読み始めは、違和感があったがドラゴンが出始めてからはどんどんストーリーが展開される。これはすごい。読みやすいし、内容が豊富で飽きない。
19歳の作品とは思えない仕上がりだ。

1週間1冊で読み始めたが、2巻、3巻と加速度がつき10日間ほどで、読んでしまった。もったいない気がしながら、後半は読む。

映画できれば、もう少しお金をかけてほしかった。建物がかなり違うようだ。

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父と暮らせば(小説)

映画のエンディングが気になり、早速本屋へ。
新潮文庫で、かわいい絵が表紙になっていた。
本文だけでも100Pほど、帰りの電車とバスで読みきった。
驚いた、全く映画と同じ台詞。

ラストは、
「おとったん、ありがとありました。」
オート三輪の音が近づいてくる気配のうちにすばやくまくがおりてくる。

そう、父は娘の幸せの応援団長として、まっとうしてから消えたのだ。
それで、原爆ドームで終わったのだ。

小説からは、映画の声がそのまま聞こえてきた。
娘のりんとした声が、耳に残っている。

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